TFZ EXCLUSIVE KING
今更レビューになりますが、先日TFZの名を知らしめることになったとされる初代KINGことEXCLUSIVE KINGをアリにて購入しました。
NICEHCKショップにて在庫処分だったのか、6000円ちょいくらいで買えました。
本当はグレーが欲しかったのですが品切れで、青が在庫1になってしまったので、11.11のセールを待たずにポチりました。
良かったところ
・非常に見通しの良いクリアなドンシャリ
・分離感・分解能の高さ
・一音一音の粒立ちの良さ
・楽器それぞれのリアリティ
気になったところ
・個人的にはこれといって無い
仕様
マニアの中では人気があったと言うのも頷ける、一聴して万人受けしそうなのがわかるドンシャリですね。
「この感じを求めてた!」って人が多そうです。
高音がキツいと言うレビューも散見しましたが、個人的には全然気にならないレベルでした。(むしろ好ましいくらい)
ただ、No.3などの最近の第3世代のドライバーほどの唸るような「低音」特に「重低音」の迫力に慣れてしまうと若干の物足りなさは感じてしまうかもしれません。
しかし、発売当時は相当に満足できる量感の低域だったのではないかなと想像しますし、必要十分には出ています。
このくらいの方が中高音を濁さず、見通しの良さが際立ちかえってバランスが良いようにも思います。
個人的に特筆すべきは、分解能、分離感の高さで、曲の合間にセリフや会話の入る曲(例えば L'Arc〜en〜Cielの「虹」、T.M.Revolutionの「WILD RUSH」など)で、特に後者の会話に関しては歌詞には載っておらず、なんて言っているのか聞き取りたくて何度も聞き直した記憶がありますが、残り1割くらいが結果的に分からずじまいになっていた部分がEXCLUSIVE KINGのおかげで20年もの時を経てようやく解消できたくらいにすごいやつです。
これまでのTFZのイヤホンはどれも分離感・分解能が高いことは挙げてきましたが、「塗り絵」で例えるなら、
安価なイヤホンは縁をはみ出して色が混ざっている感じ。
TFZの他のイヤホンは各色は独立しているけど、縁まで塗りつぶしている感じ。EXCLUSIVE KINGは縁を残して塗り分けている感じ。
くらいの違いがあるように思います。
より個々の楽器や音の主張や輪郭が感じられて、一音一音の鳴りはじめの押し出し感や引き際の減衰がとても絶妙で音作りがとても丁寧なのが感じられます。
かと言って不自然な独立感では無いため、ドンシャリ感と相まって、楽しく鳴らすモニターイヤホンという感じで、だけど淡々と鳴らすのではなく、楽器の素材感までわかりそうな生々しさというかリアリティも併せ持っており、『流して聴くもよし、分析的にじっくり聴くもよし』とこれ一つあればさまざまなシーンで使えるイヤホンだと思います。
なんというか、この時点で相当に完成されていた感があり、廃盤になってしまっているのが非常に惜しいイヤホンだなと思いました。